第84号 法政大学理系同窓会報を8回に渡り,毎週月曜日に公開していきます.
研究室紹介
デザイン工学部特集
建築学科
建築構造研究所 佐々木睦朗教授
私たちの研究室では空間構造における構造合理性と造形美の統合をメインテーマに 研究を行っております。また、研究テーマごとに研究班が存在します。研究班は基本 的に修士2年、修士1年、学部4年と各学年1人が所属する構成になっており、後輩 は先輩から適切な指導を受け効果的に研究内容を学ぶことができます。研究生同士も 仲良く、互いの研究に対する疑問をぶつけることで、互いに高め合い、更に研究に対 する理解を深める気風があります。
週一度のゼミでは、研究の進行状況を佐々木先生にプレゼンします。世界で活躍 される先生から頂けるご指摘は的確で、厳しく、論理的に物事を考える能力を鍛える ことができます。同時に、自分の考えをまとめ、プレゼンする能力も鍛えられます。 また、佐々木先生の実務のお話が聞ける機会も多く、とても刺激的で自分の活動源に なっています。
このような素晴らしい環境の中で私たちは充実した研究生活を送っています。
(4年 小西勇汰)
建築環境設備研究室所 出口清孝教授
本研究室は建築の中でも環境を専門とし、風土建築や環境共生住宅などをテーマに研究を行っている。自然エネルギーを取 り入れている伝統住居を研究することで、環境配慮の住宅を提案することが最終目的 である。
風土建築は、それぞれの土地の環境に適したつくりをしており、周囲の自然をエネルギーに利用したものである。環境に配慮したこの建築を実測調査し、また数値流体シミュレーションを利用し実測とは別の条件で検証する。これにより、風土建築の最 適性を確認することができる。そして、この風土建築の研究を現代住宅の建築計画に 生かすことを目的として活動している。
また、風力や、太陽光などの自然エネルギーを利用した例として環境共生住宅の実 測を行うことで、環境に配慮しながら室内環境により良い効果をもたらす手法を研究 している。
これらのテーマを根幹に置き、伝統住居の温熱環境や教室実測による室内環境など の快適性を検証し、最適な環境づくりを提案する。
(4年 吉田隆汰)
建築・都市研究室 渡邉眞理教授
私たち渡邉真理研究室は「コラボレーション・セルフヘルプ・オープンエンド」 の3つをモットーに日々活動しています。渡邉研究室ではゼミ生が多くのゼミプロ ジェクトに携わることで、研究室内だけではなく他研究室や他校とも広く関わりを 持っています。例えば、新潟の月影プロジェクトでは廃校となった小学校をリノベー ションしたのですが、早稲田、日本女子、横浜国立の学生たちと共に、大学院生が中 心となって設計を行いました。そして、今年度のゼミ旅行は韓国人留学生のガイドで 韓国に行きました。現地のホンイク大学の学生と共に、自身のスタジオ作品をプレゼ ンテーションしたり、食事をしたり、街歩きをしたりと、交流を深めました。韓国の 学生は敷地に対してとても入念なリサーチを行っていて、建築への思いも強く私たち も大きな刺激を受けました。これからも様々な活動を通して、人と関わりながら建 築を学んでいきたいと思います。
(4年 手塚健太)
都市環境デザイン工学科
コンクリート材料研究室 溝渕利明教授
私たちコンクリート材料研究室は、様々な配合のコンクリートの諸物性や耐久性、 新しい材料や試験法の有効活用、劣化に対する対策や検査手法についての研究を行っ ています。2012年度在籍の学生は、4年生10名、大学院生4名です。材料系の実験で 大変なことは、決して1日で終わる実験はないということです。コンクリートの材齢 に伴って試験や測定を行っていく必要があり、長期的にデータを収集し、結果を判断 することが求められます。また実験には人手が必要で、決して1人ではできない点が 大変ですが、教授や先輩方は「それが材料系の良いところ」と仰います。年度始めは ぎこちない学生たちですが、次第に皆で協力するようになり、自分の研究でも他人の 研究でも率先して手伝います。その点から毎年卒論生の絆が深く、実験にかけてきた 苦労は誰にも負けないという思いを持って卒業論文審査に臨みます。来年度も4月か らどんな学生たちが入ってくるか、とても楽しみです。
(修士2年 池田大樹)