© © 2017-2024 法政大学理系同窓会, 184-8584 東京都小金井市梶野町3-7-2 管理棟4F Tel/Fax 042-387-6385

第45号 法友工体連会報を4回に渡り,毎週火曜日に公開していきます.

活躍するOB

土木工学科85年卒 剣道部OB 柴田俊司

本年度から工体連OB 会理事に就任させて頂きました剣道部OB(土木工学科85 年卒)の柴田俊司です。何卒宜しくお願い申し上げます。昨年末、34 年間に及ぶ防衛省海上自衛隊生活を終え、無事定年退官し、航空機器メーカーに再就職し、新社会人として勤務しております。
今回、OB 会報の貴重な紙面を頂戴しましたので、僭越ではありますが、現役自衛官当時の勤務経歴、剣道の教え及び剣道の良さについて述べさせて頂きます。
自衛官の職種は、パイロット(P3C 哨戒機操縦士)でした。日本周辺海域の警戒監視を主な任務とし、中国及びロシア海軍艦艇の監視並びに北朝鮮弾道ミサイルなどに対処してきました。この間、飛行隊長、航空隊司令の指揮官配置を歴任させて頂き、米国派遣訓練では、ハワイ、サンフランシスコ、シアトルへ機長として飛行し、各地に所在する米海軍基地に長期間滞在した訓練も経験しました。
また、防衛省(市ヶ谷)勤務時は防衛力整備や日米共同作戦計画の策定に携わってきました。どの勤務も責任の重い枢要な配置でしたが、工体連剣道部で培った精神力、体力のお蔭で、海将補(海軍少将)の階級まで昇任させて頂きました。
特に、剣道は生涯剣道を目指し、自衛官現役時代も継続し稽古に励みました。退職前の最終指揮官配置では、部隊を代表し、「海上自衛隊剣道大会」団体戦に大将として出場する機会に恵まれ、見事優勝し、指揮官自ら率先垂範することで部隊士気を大いに高めることができました。
さて、剣道の教えは、航空機の運航にも通じるものがあります。剣道では基本稽古の重要性が唱えられています。航空機の安全運航についても同様です。「基本の厳守」、「基本の繰り返し」など、どこの航空基地にも基本に関する安全スローガンが掲げられており、まさに剣道の教えを体現する場でもありました。
一方、剣道の良さは、年齢差・体力差に関係なく若い人或いは諸先輩方と、剣を交えた活動ができ、世代を超えた交流の機会も広がります。さらに、対人関係の間合い、相手の気持ちを推し量ること、「打って反省、打たれて感謝」の格言にもある謙虚さなど、体力面の維持向上だけでなく、生涯続く人間形成の道にも繋がっているものと、身をもって実感しております。
先般、工体連OB 会理事会で、新入部員勧誘に関する厳しい現状を耳にしました。微力ではありますが、自身の経験を踏まえ、工体連OB 会の活動に、少しでも貢献できればと存じます。今後とも、ご指導ご鞭撻を賜りますように宜しくお願い申し上げます。