第10号 法政大学デザイン工学部都市環境デザイン工学科同窓会報を4回に渡り,毎週火曜日に公開していきます.
学科主任あいさつ
デザイン工学部都市環境デザイン工学科主任 満木泰郎
法土会の皆様こんにちは。私は1976年から1990年まで兼任講師を、1990年から現在まで専任教員を勤めさせていただいております。この間3年間大学を離れていましたが。私が赴任したときは法政大学工学部土木工学科でしたが、2002年4月からは学科名称を工学部都市環境デザイン工学科に変えました。この都市に在籍した在校生も含めてすべての学生が都市環境デザイン工学科学生となりました。2007年4月には工学部からデザイン工学部が分離独立しました。同時に、デザイン工学部の校舎を新宿区市谷田町地区に移しました(写真1)。
現在、デザイン工学部には1、2年生が在籍し、市ヶ谷田町校舎(旧62年館)で、工学部には2、3、4年生が在籍し、小金井で教育を受けています。教員は、市ヶ谷と小金井の間を行ったりきたりしているのが現状です。当然のこととして、教室会議も夏休み前は市ヶ谷校舎で、夕方、6時30分から行っています。写真2は市谷田町校舎での教室会議の様子です。9月以降は小金井校舎で行うこととしています。
デザイン工学部の執行部は、学部長が皆様ご存知の草深先生、工学部教授会主任が都市環境デザイン工学科の溝渕教授です。
工学部の現状を簡単にご説明します。2007年4月には先に述べましたように、都市環境デザイン工学科、建築科、システムデザイン学科がデザイン工学部として独立し、工学部での新入生募集を停止しました。2008年4月には、工学部から理工学部(機械工学科・電気電子工学科・応用情報工学科・経営システム工学科により構成)および生命科学部(生命機能学科・環境応用化学科により構成)が独立し、工学部のすべての学科で新入生募集を停止しました。当然のこととして工学部にも学生がいますので、デザイン工学部教授会・理工学部教授会・生命科学部教授会・工学部教授会が併走し、教員も各教授会に分属しています。
都市環境デザイン工学科での2008年4月現在の状況は、デザイン工学部所属が岡教授、草深教授、高橋教授、溝渕教授、宮下准教授(宮下さんは2008年度より准教授以前の呼称は助教授に就任されております)および満木、工学部所属が西谷教授、山田教授、阿井教授、森教授、森田教授、前田助手、牧野助手です(多分)。森教授、森田教授はデザイン工学部の完成年度である2010年度にはデザイン工学部に移籍することが決まっています。
土木工学科から都市環境デザイン工学科への名称変更は弊害もありますが、よい点も多くありました。たとえば、新入生の偏差値は関東圏では早稲田大学に次ぐ位置にあります。この学力の向上は、卒業生の国家公務員一種合格人数にも表れ、2004年度、2005年度、2006年度は各1名、2007年度は5名など以前には考えられないすばらしい
成績を収めています。女子学生が20%近くになり、就職も頭がいたいところです。華やかな反面、以前は女子学生といえば優秀と考えがちでしたが、例外も多くなりつつあります。
小金井地区の再開発も進んでいます。南館・西館に引き続き現在は運動場跡にエネルギーセンターと教室および研究室を主体とした東館が建設中で2008年8月に完成予定です(写真3)。2008年9月からは教室棟・第2教室棟・体育館が解体され、2009年1月からは管理棟・実験室を主体とした北館・アカデミックモールが、2010年4月完成予定で建設されます。2010年4月から12月まで本部棟・研究棟が解体され、跡地にコンペにより選考される中庭が建設される予定です。2010年度末には一新された小金井校地がお目見えする予定です。
JABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education:日本技術者教育認定機構)については、毎回ご説明し、毎回ご協力をお願いしているところです。2004年度に最初に受審し、このとき2004年度・2005年度卒業生について認定を受けました。これらの年度に卒業した学生は申請すれば技術士補の資格を得ることができます。2006年度には、中間審査を受審、2006年度から2008年度までの卒業生について認定を受けました。2008年4月には工学部のみならずデザイン工学部都市環境デザイン工学科にも適用の範囲が広げられるよう、認定プログラム変更通知を提出し、両学部のカリキュラムが同等であることを通知、来る2009年度には、引き続きの卒業生のために、継続審査の受審を計画しています。
JABEEの認定を受けるためには同窓会の皆様のご協力を受けることが不可欠です。
「社会工学セミナー」は、大学と同窓会を結びつける重要なパイプと位置づけております。引き続きのご協力をお願いする次第です。前頁に都市環境デザイン工学科の教育理念および学習・教育目標を掲載しました。是非ご一読ください。
最後に、法土会および法土会会員の皆様の益々のご発展とご健勝をお祈りいたします。
都市環境デザイン工学科の教育理念と学習・教育目標
【都市環境デザイン工学科の教育理念】
(こんな人材を育てたい)
社会基盤の整備には、地球規模の環境保全、自然環境と共生できる都市づくり、循環型社会の構築など、多面的な課題対応が求められています.したがって、私たち技術者は、社会基盤の整備が人々の生活の利便性や経済活動の活性化に果たすプラスの役割と、自然環境を乱すようなマイナスの作用を正確に把握し、工学的な判断をする必要があります。
本学科は、法政大学の校風である「自由と進歩」「進取の気象」を踏まえグローバルな観点に立った工学的教育を行うことにより、専門技術を活かし問題を解決する能力を身につけ、社会との対話と説明責任の遂行が可能な人材の育成を目指します。
【都市環境デザイン工学科の学習・教育目標】
(こんな能力を身につけよう)
(A)歴史・文化の尊重と自然との共生
地域の歴史・文化を尊重する人格を形成し、自然環境と共生する社会基盤の整備に貢献できる思考能力、分析力、応用能力
(B)技術者倫理
科学技術がもたらすマイナス面を踏まえつつ自然災害等への適切な対処により、公共の安全・健康・福利に寄与する、価値観を具備した責任ある高質な技術者
(C)工学基礎学力:
社会基盤の整備と環境保全に不可欠な自然科学、人文社会科学、情報科学に関する基礎を習得すると共に、演習などにより専門分野へ応用する能力
(D)専門基礎学力:
材料工学・構造工学・地盤工学・水環境工学・計画学・測量学に、環境工学などの基礎知識を習得し、要素技術に裏付けられた都市・地域システムを計画、設計、施工、維持管理、評価する上で必要な専門基礎学力
(E)専門知識の活用能力:
専門基礎学力をもとに、環境システム、都市プランニング、施設デザインに区分したより高度な専門知識を学び、実際問題への対応能力
(F)実務応用能力:
実験・実習や卒業研究を通して、理論と実現象の相違を考察・評価する能力と手法を習得し、専門知識を実社会に応用する資質
(G)総合デザイン能力
工学基礎学力・専門基礎学力・専門知識などをもとに、自然環境と人工環境の融和を目指した持続可能な地域社会の形成のために社会基盤施設を計画すると共に個々の施設をデザインする創造的な能力
(H)コミュニケーション能力:
自己の考えを論理的、客観的にまとめて記述し、効果的な発表や討論を行える能力と、英語を中心とした基礎的な国際コミュニケーション能力
(I)継続的学習能力:
目的意識を持って自己スキルアップを継続的・積極的に進める意欲と、それを計画的に進める能力
(J)業務遂行能力:
さまざまな制約条件を正確に分析、理解した上で、期日を厳守し、計画的に業務を遂行する能力