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第13号 法政大学デザイン工学部都市環境デザイン工学科同窓会報を4回に渡り,毎週火曜日に公開していきます.

 

学科の最近の動き

都市環境デザイン工学科 主任教授 森   猛
 同窓会の皆様には、学科のことを常に気にかけていただき、またいろいろとご協力いただき、ありがとうございます。2008年に満木から学科の近況を報告させていただきましたが、ここではその後の動きを簡単に紹介させていただきます。
 2007年度にデザイン工学部を設置し、市谷田町に本拠を移しました。その1期生が昨年度卒業しました。また、2009年度には工学研究科から分離してデザイン工学研究科都市環境デザイン工学専攻を立ち上げました。その修士1期生も今年度課程を修了する予定です。今年度の卒業予定者、修士課程修了予定者のほとんどは、皆様のおかげで進路が決まりました。今後とも、学生たちの進路についてのアドバイス、ご協力をお願いいたします。
 小金井校舎の再開発も最終段階に入りました。グランドを緑町に移し、グランド跡地に東館を建設、そして教室棟を解体して北館が建設されました。今年度から使用を開始した北館には当学科の3つの研究室があります。材料系の満木研究室と溝渕研究室、構造系の森研究室です。かつては想像できませんでしたが、実験室に空調設備が設置されており、夏でもさほど汗をかくことなく実験ができる環境となりました。これらの研究室に所属する学生・院生には、授業は市谷、研究は小金井ということで不便をかけており、申し訳なく思っています。現在は、研究棟の解体作業中です。その跡地は学生らが憩える庭になる予定です。今年度中には完成する予定ですので、ぜひ小金井へも足をお運びください。
 2004年度に日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を受け、2009年度には継続認定をいただきました。学科の学習教育プログラムを実行・改善していく上で、卒業生の皆様の協力は欠くことのできないものです。当学科の学習教育プログラムをよりよいものとするために、忌憚のない意見をお聞かせいただければ、幸い です。ご連絡は、jabee(アットマーク)hosei.ac.jpまでお願いします。
 さて、先述の満木も今年で定年を迎えます。また、都市計画系の高橋も定年です。今年度末には、2人の教授の退職記念講演会を予定しています。日程等が決まりましたら、あらためてご連絡いたしますので、ぜひご参加いただけるようお願いいたします。なお、2人の後任については、現在採用にむけた準備を進めているところです。次回の会報では新任教員の紹介があるのでは、などと勝手に考えています。
 繰り返しになりますが、学科の学習教育プログラムと研究活動については、卒業生の皆様の協力が不可欠と考えております。これからも、当学科を見守っていただくとともに、学科の教育研究活動の改善にご協力いただけるようお願いいたします。


近況

都市環境デザイン工学科 教授 満 木 泰 郎
1.まえがき
 同窓会会報(法土会報)編集のご担当者さんから、法土会会報の原稿への執筆のご依頼のメールをいただきました。「今年で無事ご退任と伺い、法政大学の思い出とか、今思うこと・・・・・」。ということで近況についてご報告させていただきます。
2.新実験室への移動
 小金井再開発についてはご存知と思いますが、これに伴い、鋼構造実験室とコンクリート実験室は、新しくできた北館の208、209、114、116号室に移動しました。卒論と大学院生の研究も市ヶ谷から離れて小金井で行っています。コンクリート材料研究室は溝渕先生および技術嘱託の大川さんとともに学生の指導に当たっています。写真は、209実験室の状況です。汚い実験室のイメージを払しょくすべく日々努力しています。写真は現場から採取したコンクリートの塩分分析を行っている様子で、手前には簡易式ですが走査顕微鏡(SEM)やX線マイクロアナライザーも見えます。多くの学生が午前中から夜遅くまで研究に励んでおり活気のある研究室となっています。
3. 法政大学大学院特定課題研究所維持管
理工学研究所の発足
 2011年9月1日に表記研究所を小金井の実験室で立ち上げました。本研究所の設立趣旨は、「今後ますます需要が拡大する社会基盤構造物の維持管理方法に関する調査・研究開発・教育を実施する。活動は大学院教育に反映するとともに成果を社会に還元する。また、維持管理に関する試験・技術指導等の活動により合理的な社会基盤構造物の維持管理に資する」です。実施する調査・研究活動の内容は、(1)鋼およびコンクリート構造物の維持管理に関する研究開発・受託研究、(2)鋼およびコンクリート構造物の現地調査、(3)鋼およびコンクリート構造物の維持管理技術の向上に資する研究会等の実施と構造物の維持管理技術者育成のための教育です。研究所の構成は、研究員が満木(所長)、森教授、溝渕教授、特任研究員として一宮さん(OB)と新井さんです。受託研究等も積極的に行っておりますのでご支援のほどお願いします。また、特任研究員(無給ですが)を積極的に任用する予定です。
4.橋模型の作製
 最近の少し変わった授業について報告します。4年前から造形デザインスタジオ(今年度から工業力学および演習・森先生と共担)という科目で少しは造形的な事をということでスパン800mmの木橋模型の設計・製作および耐荷力試験コンテストを1チーム5人で構成して行っています。今年度は約5×15×900mmの木材を10本とくぎ・ボンド・のこ・金鎚などを与えて行いました。コンテストの結果、優勝したのは耐荷力・質量比が5.4(N/g)のものでした。
5.縮尺鉄筋
 我々の研究室では,RC構造物の可視化をテーマに行っています。学生にとって鉄筋コンクリート構造物中の配筋はなかなか理解しがたいのが現状です。このため、3D.CADで作図するとともに、学生たちが1/24の縮尺鉄筋を用いて自ら鉄筋の組み立てを行い,学生たちの鉄筋コンクリートへの理解に寄与しようとするものです。将来は、複雑な鉄筋が配筋できるかの判断や配筋工の養成教材さらには縮尺模型による構造実験に寄与すべく付着特性などのデータの蓄積を行っていきたいと思っています。
(写真は溝渕先生提供)
6.おわりに
 コンクリート材料研究室はこのほかに、ゼオライトによる外濠浄化、コンクリートの電気抵抗特性によるコンクリートの物性評価、コンクリートの温度応力解析、フライアッシュや高炉スラグ多量混入セメントコンクリート、非破壊試験などの研究を行っています。見学を兼ねてお尋ねください。
(写真はM1・橋本君、浅井君提供)